なぜ、まつげエクステのリピート率は低下してしまうのか

アイサロンを経営する中で、多くのオーナーが頭を悩ませているのが、まつげエクステのリピート率維持です。新規客を獲得するために広告費をかけても、そのお客様が2回目、3回目と通い続けてくれなければ、サロンの経営はいつまでも安定しません。

まつげエクステにおいて、リピート率を左右する最大の要因は来店周期です。まつげエクステの綺麗さを保ち、自毛への負担を最小限に抑えるためには、一般的に3〜4週間の来店周期が推奨されます。しかし、実際にはこの3〜4週間という周期が乱れ、来店が遠のいてしまうケースが後を絶ちません。

なぜ、お客様は3〜4週間の周期を外してしまうのでしょうか。そして、周期が外れるとなぜリピートが切れてしまうのでしょうか。

お客様が周期を外す最大の理由は、施術が終わった段階で次回の予約確定をしていないことにあります。「仕事の予定が分からないから」「また近くなったら連絡します」と言って退店されたお客様の多くは、日々の忙しさに追われ、まつげエクステのメンテナンスを後回しにしてしまいます。

そして、施術から4週間、5週間と経過すると、エクステの毛向きがバラついたり、自毛が伸びて根元が浮いてきたりします。さらに数本しか残っていない状態になると、お客様の中に「もう全部取れてしまったし、今さら同じお店に行くのも気まずい」「次は別の店で新しく付け直そうか」という心理が働きます。つまり、接客や技術に不満があったわけではなく、単に周期が伸びてしまったことが原因で失客に繋がっているのです。

実際にサロンの現場で起きている新規客の追跡データがあります。UNELMAで集計した実績によると、ある月の新規客のその後を追うと、2回目に来た割合は14〜36%で、67〜79%が失客していたというデータがあります。

この衝撃的な数字が示しているのは、新規でお越しいただいたお客様の約7割から8割近くが、2回目の来店を果たさずに離脱しているという現実です。この失客の大きな部分を占めているのが、まさに来店周期の崩れによる自然消滅です。

アイサロン経営においてリピート率を高めるためには、お客様の技術的な満足度を上げるだけでなく、お客様が3〜4週間の周期を外さないように誘導する仕組みを作ることが不可欠になります。

3〜4週間の来店周期を守ってもらうための次回予約の取り方

お客様に3〜4週間の来店周期を守っていただくための最も確実な方法は、施術当日の会計時に次回予約を確定していただくことです。

しかし、スタッフにお客様へ次回予約を促すよう指示していても、「次回予約の案内を断られた」「提案の仕方がわからない」という声が現場から上がることが少なくありません。次回予約をスムーズに取っていただくためには、単に「次回のご予約はどうされますか」と尋ねるのではなく、次回予約の必要性をロジカルに説明するカウンセリングが必要です。

お会計前の仕上がり確認のタイミングで、今回装着したエクステの状態と、お客様の自毛の毛周期について伝えます。自毛の生え変わりや皮脂分泌の影響で、3週間から4週間でどのようにエクステが変化するかを具体的に説明することが大切です。

このように「なぜ3〜4週間後に来なければならないのか」という理由をお客様自身に理解していただくことで、次回予約に対する心理的ハードルは下がります。さらに「◯月◯日から◯月◯日の間に来ていただくのが、一番綺麗な状態を保てます」と具体的に2〜3個の日程候補を提示することで、お客様はスケジュールの判断がしやすくなります。

また、次回予約の提案を控えてしまうスタッフの心理として「予約枠が埋まっていてお客様の希望日に案内できないのではないか」という懸念があります。しかし、実際のサロンの稼働状況を客観的に分析すると、思い込みであるケースが目立ちます。

UNELMAの調査において、席が3つの店で席が全部ふさがっていたのは月5.0時間=施術のあった時間の1.6%だけで、本当の制約はスタッフの出勤時間だったという実例があります。

このデータが意味することは、サロンの物理的な設備(ベッド数や席数)が限界を迎えているわけではなく、スタッフのシフトや予約枠の組み方にボトルネックが存在しているということです。実際の満席率が施術時間のわずか1.6%に過ぎないにもかかわらず、「満席で予約が取れない」と感じて次回予約の案内を躊躇してしまうのは、非常にもったいない機会損失と言えます。

サロンオーナーは、自店の本当の稼働状況を把握し、スタッフが安心して3〜4週間後の次回予約をお客様に案内できる環境とオペレーションを整える必要があります。

来店周期を過ぎてしまったお客様へのアプローチ時期と方法

どれほど丁寧に次回予約の案内を行っても、当日に予約を入れずに退店されるお客様や、直前でキャンセルになりそのままになってしまうお客様は必ず一定数発生します。

そうしたお客様に対して、どのような時期に、どのようなアプローチを行うべきでしょうか。ここで最も重要なのが、アプローチのタイミングです。

まつげエクステのリピートが切れてしまう境目は、施術から4週間から5週間が経過したタイミングです。この時期を過ぎると、お客様の目元からは完全にエクステがなくなり、サロンへの意識も薄れてしまいます。そのため、声をかけるべき時期は、理想的な来店周期である3〜4週間を少し過ぎた「施術後25日から35日目の間」となります。

このタイミングを逃して2ヶ月、3ヶ月と放置してしまうと、再来率は著しく低下します。まだ目元にわずかにエクステが残っている、または取れ切って不便さを感じ始めた直後のタイミングでメッセージを送ることが、再来店を促す鍵となります。

アプローチの際の内容についても注意が必要です。単なるクーポンの案内や「ご予約お待ちしております」という営業メールでは、お客様の心は動きません。

このように、お客様の立場に立った丁寧なアフターフォローの姿勢を見せることで、一度来店周期を外しかけたお客様を呼び戻すことができます。

実際に、適切なアプローチを行っていない休眠状態のお客様に対して、タイミングを絞った配信を行うことで大きな効果が得られた事例があります。

UNELMAの実例として、離反客476名へ配信して2日で再来が4.6名増え売上15,666円増(配信していない他店を差し引いた実測値)という結果が出ています。

長期間ご来店が途絶えていたお客様であっても、正しいタイミングと適切なアプローチを行えば、一定数のお客様は確実にサロンへ戻ってきてくださいます。離反客になってしまったからと諦めるのではなく、周期を外した直後のアプローチと、定期的な掘り起こし施策を組み合わせて実施することが重要です。

継続的なリピートを生み出すアイサロン経営の仕組みづくり

アイサロンのリピート率を向上させ、売上を安定して伸ばしていくためには、スタッフ個人の努力や感覚だけに頼る経営から脱却しなければなりません。サロン全体として、お客様の来店周期を管理し、適切なタイミングでアプローチができる仕組みを構築することが求められます。

まず行うべきは、自店の現状の数字を正確に把握することです。

これらの数字を定期的に測定していないと、どこに課題があるのかが見えてきません。先述したUNELMAのデータのように、新規客の失客率が60%以上におよんでいるのであれば、まずは2回目の来店をいかに増やすかに施策を集中させるべきです。また、ベッドの稼働時間が本当に限界を迎えているのか、それともシフトや時間配分の問題なのかを正しく見極めることも、無駄な設備投資や機会損失を防ぐために欠かせません。

次に、カウンセリングからアフターフォローまでの業務フローを標準化することです。

誰が担当しても、施術後にお客さまへ自毛の状態を説明し、3〜4週間後の次回予約の必要性を伝えられるようにマニュアル化します。そして、当日予約を取られなかったお客様に対しては、施術からの日数に応じて自動的または定期的にフォローメッセージが届く仕組みを整えます。

まつげエクステのリピートは、周期を外すと切れてしまいます。だからこそ、周期を外させないための現場での次回予約提案と、外れてしまいそうなお客様をすかさずフォローする追客施策の2本柱をサロンの仕組みとして機能させることが、アイサロン経営を成功に導く最短のルートです。オーナー自身が数値に基づいた現状分析を行い、現場のスタッフが迷いなく動ける体制を作っていきましょう。

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